still crazy after all these years



2018年 01月 04日 ( 1 )


スーパーなムーン

昨日の夜6時すぎに、近所の店まで買い物に行こうとひとり自転車で走りだしたら、目の前にスーパームーンが低く、赤く、大きく架かってた。
十六夜だけど、満月と変わらないくらいの存在感で。

まるで芝居の書き割りみたいで、ずっと昔に見たポール・オースターの小説『ムーンパレス』の日本語版舞台を思い出した。白井晃さん演出で、主人公2人を演じる役者さんがとても繊細で、ラブシーンが美しかった。ムーンパレスは店の名前なんだけど、この舞台では本物の月のほうに重点を寄せていて、それが違和感なくしっくり収まっていた。そういえばあの舞台は、大学の文学ゼミが一緒だった後輩と行ったんだっけ。「お前は部屋に閉じこもって動かず、することと言ったら冷蔵庫まで出張するだけじゃないか」みたいな台詞(今手元に本がないので、これは正確じゃないけど)があって、柴田元幸さんが出張と訳した部分がtravelだと知り、その訳にえらく感動したことを、後輩に暑苦しく語った気がする。

そんなことを考えたりしながら赤い月を見てたら、なんだかすごく切なくなっちゃって。
あの頃なれるとは思ってなかった職業になったけど、いつまでも力が足りなくて辛いよーとか、
去年後半から気にかかることが多くて、気持ちが完全に晴れるときがないような気がする、とか、
結婚して毎日楽しいのに人生がときどき不安になるよ、とか、
そういえばあれもこれも、これもあれも、と考えてぐーっと何かが込み上げてきて、いつのまにか月に向かってまっすぐ自転車を走らせてた。買い物に行くなら早い段階で左折しなきゃならないのに、ハンドルをぎゅっと握って、必死でペダルを漕いで。

直線でだいぶ走ってから、ハタと我に返って、急ブレーキ。お店まで行くルートからだいぶはみ出したことに気づいて、呆然としながらリカバリー。

月には人を感傷的にする力があるらしい。スーパームーンだから、それも余計に。

……。


とか思ってたんだけど、冷静に考えると、私が正面に見える月に向けて必死で自転車漕いだのは、別に月の魔力とかそんなんじゃないと思う。たぶん、男性用トイレに飛散防止でハエのシールを貼るといい、っていうのと同じ。ノーベル経済学賞をとったセイラー教授が「ナッジ」(比喩的な意味で人の背中をこづいて促し、無意識にある行動をとらせること)の例として紹介してるように、人は何か目標物を与えられると狙いたくなるから、ってやつ。

ハエとか的のシール貼るだけで行動が変わるなんて単純ねー、と思ってたことを、ここに告白し謝罪いたします。目の前の月が明るいからってまっすぐ走ってくほうがよっぽどどうかしてる…。



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1/3の作業記録
 案件A:11枚チェック
 案件C:原稿見直し
 案件E
:56枚チェック
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by yumi_in_the_rye | 2018-01-04 09:36 | 日々の記録 | Comments(4)


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