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リーディング、この本はどう?  Vol.12

相変わらずアマゾンの奥を探って、これは邦訳を出すべきなんじゃないか、出してほしい、機会があるなら訳したい、と思える本をあれこれ掘り出してる。いくつか目をつけた本をリストに入れて、しばらく様子見しておくんだけど、時間を置いても「やっぱりこの本は」と感じる本は紹介しておきたい。

あいにく私は時間的にリーディングできない、もしくは内容面で歯が立たないけど、だからといってスルーして忘れてしまいたくない原書を、今回もいくつか載せておきます。どなたか、気になる本があったら、ぜひ読んでみて、シノプシス書いてみて、出版社に持ち込んで~~そして数か月後か数年後か~~私に良い翻訳で読ませてください。

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リーディングこの本はどう?シリーズ
【提案編】第1弾第2弾第3弾第4弾第5弾第6弾第7弾第8弾第9弾第10弾第11弾。趣旨は第1弾からずっと変わらず。

今まで64冊挙げて、22冊は実際にその後に翻訳が出ました。
出ていない残りの本も、あなたが企画書を書けば出るかもしれないです。
今回は新しめのところから、ガチで気になる本をピックアップしたので(いつも本気で選んでますけど)、どなたが中身を読んでジャッジしてくださーい!
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「キャンセルカルチャー」は、企業やタレントが何か不祥事を起こしたり失言したりしたときに、不買運動をするだけでなく、社会的地位を失墜させるまで徹底的に追い詰める風潮のこと。日本でも、あの人とかあの人とか、追い込まれた例がいくつも思い浮かぶ(今はもう次のターゲットがいるので、その人のことは忘れられている)。何か倫理的によくないものがあったときに、消費者や有権者が不支持を示すこと自体はまっとうな行為のはずなんだけど、どこで行き過ぎてしまうんだろう? 
私個人は、昨年に好きなアーティストが1人追い込まれて(フリッパーズは好きだったけどO氏のことではない)、報道がとても苦しかった。その一方で、ブランドのダブスタな(と私が思った)姿勢を目にすると購買意欲が氷点下まで冷めるのも事実(そうした報道をメディアで「目にする」ことで判断が揺れてしまうという自覚もある)。
残念ながらこの手の問題はしばらく続くと思うので、本のニーズはあるんじゃないかな。


組織内のリーダーシップ、コミュニケーション、コラボレーションに関する専門家、エリカ・ダワンの新作。講演の巧みさで賞もとっている人で、こういうタイミングでこういう本をすかさず出すところとか、心得てるなあ、と。この手の本は短期的にも長期的にも役立つ内容かどうか(どちらか片方だけではなく)が重要かな、と思うんだけど、どうだろう? テーマ的には今どんぴしゃだと思うので、ぜひー。


これ、時間が許すなら私が読みたい。読んで企画書を書きたい、だけどそう言って読めずに握りつぶしている時間がもったいないので、ぜひどなたか読んでみてほしい。
社会問題や環境問題に対する政府と非営利集団の活動は後手に回ってる。もっと市民を中心としたイノベーティブな手法で、デジタルテクノロジーをもっと活用して、公益のために成果の出る対策がとれるはずではないか。プリンストン大学出版で、オバマが推してる本で、議論に一石を投じる本じゃないかという期待がある。わりと短いのでハードルは低いかも!


こっちは私が英語で読むのはまず無理なので、誰かの訳で日本語で読みたい。女性のほうがうつや偏頭痛や脳障害になりやすくて、アルツハイマーも女性のほうが2倍多いんだって。脳はあんまり性依存的に研究されていない印象があるけれど(いわゆる思考面での脳の性差に関する本は玉石混交で存在するけど)、女性特有の健康問題と脳の関係について、神経学者の著者が語る本は貴重じゃない? アマゾンのレビューも600超えてる。



Free: Coming of Age at the End of History
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで政治理論の教授となった女性の自伝。というと、それなりのサクセスストーリーなのかと思ってしまうけれど、アルバニア出身で、ソ連と中国に翻弄される子供時代を過ごしてきた彼女が、「自由」と「正義」、「民主主義」「共産主義」「資本主義」について、おそらくは容赦ない現実を巧みに描写・糾弾する本だと思う。日本のメディアに名前が出ることはほとんどない人なので、メモワールの翻訳を持ち込んで納得させるのは、はっきり言って厳しい(単なるメモワールでないことは確かだと思うので、それが言えれば話は別でしょうけど)。なかなかに舌鋒鋭く、しかも若い教授(1979年生まれ)で、この人はこれから大物になるんじゃないかと。

by yumi_in_the_rye | 2022-01-11 23:52 | 仕事のこと | Comments(0)

鋭意翻訳中  【翻訳勉強会 満員御礼 次回は募集はまたいずれ】


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