リーディング、この本はどう? Vol.5
2020年 02月 11日
というわけでリーディング推奨本の紹介です。
面白そう、読んでみたい、日本でも売れるんじゃないかと思うけど、私にはリーディングする時間がない、もしくは私が訳せるとは思えない原書がどなたかの目に留まって世に出ることを期待して、挙げてみます。自分で言うけど、私の嗅覚はそんなに精度悪くないみたいよ。
どなたか、この中に気になる本があったら、ぜひ読んでみて、シノプシス書いてみて、出版社に持ち込んで~~そして数か月後か数年後か~~私に良い翻訳で読ませてください。
今まで25冊挙げて、6冊は実際にその後に翻訳が出ました。出ていない残りの本も、あなたが企画書を書けば出るかもしれない。
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ファストファッションの「安さ」が、いかに労働や環境に負荷を与えているか、という話。
同じテーマで既に色々と本が出ているけれど、この本は、その先の提言まで踏み込んで書いている印象があるので。
「環境」という概念はいったい何を指すのか。政治やイデオロギーと無縁ではない「環境」の定義と、その歴史をひもとく本・・・だと思う。重要な着眼点だと思うので、とても読みたい。
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『こうして、世界は終わる』や『世界を騙しつづける科学者たち』の著者ナオミ・オレスケスの新しい本。偽科学が蔓延する中で、なぜ科学を、どんな科学を信頼すればいいのか、という話かな。偽科学なんて、そんなの信じるわけないと思っているけれど、案外私も「そんなの」をまるっと受け入れてるかも。
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オルタナティブメディアは、良くも悪くも、メインストリームのメディア以上に影響力をもつことがある。フェイクニュースを見抜くのは困難になる一方。そんな時代の「真実」とは何か。
テーマとしては日本にも通じるけれど、この本の中で紹介されている具体例が日本人にもなじみあるニュースかどうか(もしくは、なじみがなくてもスリリングに読めるかどうか)、そこが翻訳を出すかどうかの分かれ目かもしれない。
→3/28追記:出ていました。『ニューヨーク・タイムズを守った男 』
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ドメスティックバイオレンスの話。
痣にならない、目に見えない「暴力」がどれだけ暴力性をふるうか。「これは違う」と思っているところで、たぶん既に始まっている。
→6/14追記:出ました。 『目に見えない傷――ドメスティック・バイオレンスを知り、解決するために』
The Third Pillar: The Revival of Community in a Polarised World
偏極化が進む時代に、コミュニティの価値を考える。
「サード~」っていうキーワードは刺さりそう!
→2021/7/23 重厚な邦題で。『第三の支柱――コミュニティ再生の経済』
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番外編。これも原書未出版(2021年)。
この本は持ち込みで成功させるのは無理です。一介の翻訳者が原書の出版後に読んで企画書を作った時点で版権が空いてるわけがないので。
この本は持ち込みで成功させるのは無理です。一介の翻訳者が原書の出版後に読んで企画書を作った時点で版権が空いてるわけがないので。
だけど出版が待ち遠しいという意味で、載せておきます。彼の意見は世界を動かすかもしれないから。
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Commented
at 2020-02-16 23:34
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
yumi_in_the_rye at 2020-02-17 08:55
わー、ご覧いただけたなんて&コメントいただけるなんて、嬉しいです。ありがとうございます。この本は原書の評価も高いですし、日本におけるニーズもあるように思うので、ぜひ出てほしいと考えています。しっかりした対策がとられるかどうかは、当事者と周囲の両方に、まず認知が必要だと思うんですよね。
ご実績から考えるに、私が持ち込みするよりも説得力がありそうです。楽しみにしています。
お名前はよくお見かけしておりますが、実際にお会いできる機会が早く来ますようにー!
ご実績から考えるに、私が持ち込みするよりも説得力がありそうです。楽しみにしています。
お名前はよくお見かけしておりますが、実際にお会いできる機会が早く来ますようにー!
by yumi_in_the_rye
| 2020-02-11 22:41
| 仕事のこと
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Comments(2)