still crazy after all these years



カテゴリ:訳した本( 108 )


リリースするって、そういうこと

『壊れた世界で”グッドライフ”を探して』 は、私にとって、ちょっと思い入れが強すぎる本だった。 訳しているあいだもすごく嬉しかったし、すごく苦しかった。 責了して手が離れてからも、発売が待ち遠しいような、怖いような。 初めて本が出せたときと同じか、もしかしたらそれ以上にどきどきしていたかも。

自信作だから、というわけではないんだよね。 他人様からの評価という意味での自信は、この本に限らず、一生もてないかもしれない。
この本の中身に私が賛同し信奉してるか、といえば、別にそういうことじゃない。
なんというか、いろんな意味で、自分の中で本との距離がすごく近かった。
初めて翻訳者になった頃から 「いつか・・・という本をやりたい」 と心の中で思っていたことを、編集者さんなどに聞かれるたびに夢として語っていた条件の一部を、今回の本が満たしていたからだと思う。

夢が叶ってしまったらどうすればいいんだろう?
よくも悪くも今の私の100%だな、と思えるところに来たならば、次はどうすればいいんだろう?

そんなことをぐるぐる考えながら、木曜日は、この本の打ち上げ@原宿。 この本にかかわった方が何人も、もしかしたら私以上に強い思い入れを見せてくださって、そこから話がいろんな方向に広がっていくのを聞きながら、ああ幸せだ、と思った。 翻訳者になってよかった。 留学経験があるわけでもない、学歴やキャリアが高いわけでもない、英語力もそれほどないくせに、なんとかやってこられてよかった。 この本を訳せるところまで続けてこられてよかった。

打ち上げだけじゃない。 古い友人が何人か 「買ったよ」「読み始めたよ」 という連絡をくれた――私が「買って♪」「読んで♪」とゴリ押ししたあなたも――ことが、すごく嬉しかった。 彼らに褒めてほしいわけじゃない、読んでほしいんだ、という自分の気持ちを確認できたら、ぐるぐるぐずぐず考えていた執着みたいなものが軽くなってきた気がする。

大丈夫。あとはlet it goできる。 売れても売れなくても、評価されてもされなくても。



100%ができたと思ったなら、今度は、その100%をデフォルトにして、さらに高いレベルを100%にしていけばいいわけでね。

ある意味でひとつの恋が終わった郷愁を埋めるのは、次の恋の役目。 幸いにも、負けず劣らずわくわくして訳してる本が、今ゲラになってるのと、これからゲラになるのと、今はまだ途中の原稿のと、次の原書とで待ってくれている。 だからまだまだ走っていけると思うし、もう少し欲張ってみようと思う。

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10/4の作業記録
 案件A:19枚訳す。
 案件E:12枚訳す。

10/5の作業記録
 案件A:5枚訳す。
 案件E:45枚チェック。


10/6の作業記録
 案件A:11枚訳す。
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by yumi_in_the_rye | 2017-10-07 23:34 | 訳した本 | Comments(0)

グッドライフを探して

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僕が昔から耐えがたくおそれていたのは、この星で過ごす短い時間が、すでに書いた書類を承認するための別の書類を埋める作業で終わっていくことだった。 もっと最悪なのは、僕が忌み嫌うものごと――戦争、職場の陰湿な人間関係、役所主義的な指示と服従、自然の搾取、そして電子画面にへばりつく時間──をいつまでも続けようとする企業や組織にせっせと仕えて、この刹那の生を垂れ流していくことだ。 仕事をする意欲はあったが、自分の仕事は何らかの意味をもつものであってほしかった。 大地や都市を修復し、平和と正義を広げていくような。椅子に縛られてボタンを押し続ける8時間を過ごし、ぐったり消耗して焦燥感ばかりを抱くのではなく、自分の手と、足と、肺を、自分自身の心と一緒に動かす仕事で、充足感を味わっていたかった。

ムダなものを徹底的に削ぎ落としたシンプルな生き方は、大地と、生活と、そして経済と、さらには魂と、深い真実の関係を生み出すのではないか。 仕事と家族と住居が意味をもって組み合わさる、昔ながらの 「家」 という概念を、あらためて学んでみたいと考えた。 僕たちは近代的な生活をどこまで捨てられるのか。現代人は何を得て、何を犠牲にしてきたのか。 そして本当の意味での 「ゆたかな人生(グッドライフ)」を送るにはどうしたらいいのか、それを学びたいと思った。

・・・本書で紹介することにした3家族は、ただ単に主流から外れた生活(オルタナティブ・ライフ)を送っているのではない。 彼らはそれぞれに、この世界の破綻の一面を引き受け、力の限りを尽くして、それに立ち向かう道を選んだ――しかも、きっと持続可能で、もしかしたらほかの人でも再現できるのではないかと思える方法で、彼らは解決に臨んでいる。 その姿は僕の心に強く響いた。思い描くビジョンが完璧に叶うことなどないからといって、そんな理由で夢をあきらめていいのかと、彼らは僕に指をつきつけていた。


信念に沿って、けれど世捨て人にならない生き方の可能性を探して、著者は、オフグリッド(電気不使用)や自給自足の生活を選ぶ3組の夫婦に出会います。
ミズーリのサラとイーサン。
デトロイトのオリヴィアとグレッグ。
そしてモンタナのルーシーとスティーブ。
本書は彼女たち6人の現実的な紆余曲折を、矜持と承認欲求のはざまでうろうろする著者の目から、丹念に追いかけて行ったルポルタージュです。

自給自足、オフグリッド、パーマカルチャー、有機農業、インテンショナル・コミュニティ、非暴力と市民的不服従、都市再生、都市型農園、ローカル経済、贈与経済、恩送り、スモール・イズ・ビューティフル。

そんなキーワードにアンテナが立つ人には、特に興味深く読んでもらえるかも。

同著者の前著 『スエロは洞窟に住むことにした』 を読んで心が震えた人には(この本と、この訳に、私は心臓を撃ち抜かれたかと思った)、『スエロ』 のときとは少し視点を変えた著者の誠実なる試行錯誤っぷりにも、どうかつきあっていただければ。
『スエロ』 と同じ訳者さんが手がけた 『ぼくはお金を使わずに生きることにした』 や 『無銭経済宣言』にいたく感銘を受けた人にも、それから 『食べることも愛することも、耕すことから始まる』 にときめいた人にも。

そうじゃない方にも。
私を知ってる人にも、そうじゃない人にも。
壊れた世界で“グッドライフ"を探して』、読んでもらえたら嬉しいです。

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by yumi_in_the_rye | 2017-09-29 15:20 | 訳した本 | Comments(0)

大絶賛

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大絶賛・風邪継続中(だいぶ治ってきたけど、まだ喉が変な感じで、GAOみたいな声で喋ってる)ですが、とりあえずこれは今日書いておかなきゃ。
新しい訳書、出ました。『壊れた世界で”グッドライフ”を探して』。
本の内容は改めて明日以降のエントリで書くつもりですが、今年の3冊目、通算38冊目です。わーい。

これ、ちょー大絶賛!になってほしい! 久々にあとがきも書いたし!
いや、別に絶賛されなくてもいいから、いろんな人に読んでもらえたら嬉しい。
どうかよろしくです。





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9/24の作業記録
 案件F:ゲラ見てる。

9/25の作業記録
 案件A:19枚訳す。
 案件E:15枚訳す。

9/26の作業記録
 案件A:17枚訳す。
 案件E:8枚訳す。
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by yumi_in_the_rye | 2017-09-27 19:06 | 訳した本 | Comments(2)

なんだか

なんか盛り上がってるみたい。ありがたいなぁ。
発売後の営業的展開には訳者の出る幕はないので(少なくとも私の場合は)、
完全にアウェイからわくわくしてるところ。
ほんとは書店のディスプレイを見に行きたいのだけれど、その時間がとれないのが残念・・・。



担当してくださった編集の浅井さん。めがね男子。


こっちは東洋経済の記事広告。


トークショーあるらしいよー 

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6/25の作業記録
 案件A:27枚訳す。
 案件D:見直し

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by yumi_in_the_rye | 2017-06-26 23:23 | 訳した本 | Comments(2)

釣られる理由

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そういえば、こんな本が出るよ。『♯HOOKED 消費者心理学者が解き明かす「つい、買ってしまった。」の裏にあるマーケティングの技術』。

わんにゃんの写真にはなぜ思わず目が引き付けられてしまうのか? 
黄色の衣装でリンゴとパイナップルを持って奇妙な歌で踊る芸人の動画がなぜヒットしたのか?
なんでYumiという名前の翻訳者は、オンラインショッピングサイトYooxで(出かける予定もないのに
ワンピースを買ったのか?(→人間は、イニシャルを含む自分の名前に近いと感じるものを「好む」傾向があるんだって)

それは、見る者の心にがっちり刺さるHOOKが仕込まれているからですよ、奥さん。 この本を読めばわかります。

「フック」という言葉はマーケティング関連の仕事をしている人ならなじみがあると思うけれど、この本では10種類のHOOKの 「刺さる理由」 を科学的に、そして 「がっちり引っかける方法」 を実用的に教えています。 なんとフルカラー。 そして写真と図やイラスト満載。 もちろんマーケティング関係者じゃなくても、一消費者として読んでも楽しいです。

資格試験のTAC出版が翻訳事業に乗り出したスタート3冊のうちの1冊です。

アマゾンでは26日発売だけど、一部書店では先行販売が始まってるみたい。 今年の2冊目、通算で37冊目。お見かけになったらどうぞ手に取ってみてください。



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6/21の作業記録
 案件A:11枚訳す。
 案件D:15枚訳す

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by yumi_in_the_rye | 2017-06-22 23:15 | 訳した本 | Comments(0)

海の話にはそろそろ適した季節

2年前に出た訳書だけど、ここでチラ読みが可能に。

一応自己啓発書に入ると思うんだけど、寓話形式になった不思議な本。
いまひとつぱっとしない船乗りの少年ティムが、ピーター船長というメンターに出会って・・・というお話です。

主人公のティムがいいやつでね。 訳してたときは、『Dr.パルナサスの鏡』に出てたときのアンドリュー・ガーフィールドが何となく浮かんでたんだけど、今思うと、ちょっとかわいくイメージしすぎだったかな・・・。

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6/8の作業記録
 案件D:7枚訳す。

6/9の作業記録
 案件A:9枚訳す。
 案件D:15枚訳す。

6/10の作業記録
 案件C:添削2本
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by yumi_in_the_rye | 2017-06-11 17:38 | 訳した本 | Comments(0)

神話と嘘をあばく話

『女性のキャリアアップ38の嘘』が、ここでちょい読みできるよ。

文中で二重カギカッコになってるのは、書籍ではフキダシです。
(著者の心の中の別人格、もしくは仮想読者として、黒天使ちゃんと白天使ちゃんがツッコミを入れているイメージ)

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5/6の作業記録
 案件E:40枚チェック+300枚くらい見直し。

5/7の作業記録
 案件D:ゲラ見てる。
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by yumi_in_the_rye | 2017-05-08 15:37 | 訳した本 | Comments(0)

人生2度目のラジオ紹介

今日のラジオで紹介されたよ。

オンエアは聞いておらず、あとから知人に教えてもらったので、radikoのタイムフリー機能(さかのぼって聴ける)でさっき聴いてみた。
プロのアナウンサーさんに紹介されると、なんか完全に知らない本の話を聞いてるみたいで、気恥ずかしいような興味深いような。

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4/4の作業記録
 案件A:27枚訳す。
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by yumi_in_the_rye | 2017-04-05 22:20 | 訳した本 | Comments(0)

濃縮還元の赤い本

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新しい本、出ました。

アメリカの初代財務長官アレグザンダー・ハミルトンから、アイゼンハワー、2人のルーズヴェルト、リンカーンといった大統領たちのもと、アメリカでいかに政府主導の実利的経済設計がなされてきたか。そして20世紀終盤以降はいかにその実利的経済設計に失敗してきたか。アメリカの歴史と、そのアメリカへのキャッチアップを目指した中国や日本の戦略を、一気に疾走するかのごとき勢いで振り返り、この先への提言ーーとてもシンプルな、しかし実行は難しいかもしれない――を打ち出す1冊。

訳しがいがあったのはもちろん、この赤い表紙も個人的にすごく好みで、完成したのがとてもとても嬉しい。今年の1冊目、通算で36冊目。お見かけになったらどうぞ手に取ってみてください。


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by yumi_in_the_rye | 2017-03-12 23:07 | 訳した本 | Comments(4)

7年越しのレビュー

日経新聞のブックレビューサイトに書評を掲載してもらったよ。


この本は私が今まで訳してきた中で最長だった。 もっと長い本は世にたくさん出ているけれど、私の仕事の傾向から言ってこれ以上長い本を訳すことは、もしかしたらないかもしれない。 それだけに感慨深い1冊なので、レビューが出て嬉しい。

このレビューの中で紹介されている有機ヨーグルトメーカー 「ストウニーフィールド」 の創業者ゲイリー・ハーシュバーグは、2009年に出た訳書 『エコがお金を生む経営』 の著者。『エコが~』 では起業と運営に焦点をあてていた企業が、どんな売却と引退を迎えたか・・・それを7年後の自分の仕事で訳せるなんて、ノンフィクションの醍醐味だと思うし、ありがたいことだと思う。

こういう展開がまた何らかの形で数年後にもあるといいなぁ、なんて、鬼が笑う希望だけど。


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12/23の作業記録
 案件A:12枚訳す。
 案件C:添削1件。

12/24の作業記録
 案件A:11枚訳す。

12/25の作業記録
 案件J:ゲラ読んでる。
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by yumi_in_the_rye | 2016-12-26 16:17 | 訳した本 | Comments(0)


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Yumi
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翻訳者です。
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