still crazy after all these years



フュリオサに惚れる

人間は2つのタイプに分けられる。
『マッドマックス4 怒りのデスロード』 がドハマりするタイプと、そうでないタイプ。
私は前者だ。私だって口を銀色にスプレーして暴走したい!(そっちのキャラ?) と思うほど。

この映画、仮に字幕や吹替なしでも全く問題なく楽しめると思う。 ストーリーが単純だし、そもそも台詞がかなり少ない。 理由は、全編ほぼ8割が車を爆走させてるシーンだから。
主人公は前半さるぐつわをはめられているから。
そして登場人物の全員が無教養だから。

で、だからこそ、その数少ない台詞を言うときの、そして台詞以外で語るときの、役者の力量が如実に現れるんだと思う。
特に主人公のマックスは、長いあいだ人とまともなコミュニケーションをせずにいると言葉が出にくくなる、という症状が実に見事に表現されていて、その粗暴さ (キャラクターの) と繊細さ (役者の) に舌を巻いた。

対するフュリオサを演じたシャーリーズ・セロン姐さんの化けっぷりは、『モンスター』 を思い出せば意外ではない。 アクションもよかっただけど、ときおり目の力がぐっと弱くなるときの表情にどきどきした。

目で見せると言えば、ニコラス・ホルト。 ボスに心酔するきらきらおめめと、その少しあとで小さな虫に向けた悲しげな目は、どちらも同じこと (死ぬという運命) を考えている表情だ。 生と死が、両方とも祝福であり呪いであるというこの映画のテーマを、彼の目だけで伝えられているように思う。


・・・そういうわけでたいそう満足した映画だったのだけれど、字幕で気になったことが1つ。

insane と言っているところを 「狂気」 と訳し、それに 「MAD」 とルビをふるのは、親切の過剰じゃないかな。 あの映画をちゃんと見ていれば、「狂気」 だけで 『マッド』 マックスに結びつけて理解できるはずだし、それが理解できない人は置いて行っていいと思う。
理解できない人を切り捨てても、彼らはプラスアルファの楽しみが得られないだけで、別にマイナスにはならない。むしろわからない人にプラスの補助を与えることで、わかる人のほくそ笑みを奪うマイナスの効果になっていると思うんだけど。

翻訳って難しいよなぁ、と思った実例の1つ。


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7/5の作業記録
 案件K:9枚訳す。
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by yumi_in_the_rye | 2015-07-06 23:24 | 観た映画 | Comments(0)
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