少しだけかわいいのがいい
2014年 05月 04日
女が男を 「かわいい」 と言うことを、嫌がる男性は多いと思うけど――最近の若い人はそうでもないのかな――女が言う 「かわいい」 には2種類ある。・・・って、私が女を代表して語ること自体がどうにもこうにも成立しないんだけど、まぁそのへんは目をつぶってちょうだい。
1つは、造形的にかわいい、というやつ。 アイドルちゃんの端正な顔立ちを魅力的だと思うときに言う台詞だ。 パンダがかわいいとか猫がかわいいとかに近い。 そりゃ文句なしにかわいいに決まってる。
で、もう1つは――女が年齢を重ねたなら、こっちの 「かわいい」 を評価できるようでありたいと私は思うのだけれど――いい大人がふと垣間見せる一抹の 「滑稽さ」 みたいなもの、それに対する 「かわいい」 という感情じゃないだろうか。 簡単に言えば、隙を見せてくれるところに惹かれる、というか。
「一抹の」 というのがポイントで、二抹か三抹くらいならイイけれど、これが10抹や20抹になっちゃ台無し。 それだったらむしろ100抹くらいに振り切れてくれないと。
独断と偏見で言いますと、コメディをやっているときのジム・キャリーとかMr.Beanとかは、100抹もしくはそれ以上で、彼らはそれがとっても魅力的。 旅人になっちゃったサッカー選手は15抹くらいの実にイタい感じ。 足が太くなるから練習しないと言っていた野球選手はむしろ60抹くらいで、あれはあれでカッコいいと思えちゃう。
で、その微妙で希少な 「一抹の滑稽さ」 を漂わせる俳優として、彼よりも魅力的な人はいないんじゃないだろうか。 そう思いながら、映画 『シー・オブ・ラブ』 を観た。
主演、アル・パチーノ。
パチーノが演じる刑事のフランクは酒に酔って深夜に元妻に電話するようなダメなやつで、職務とはいえ惚れた女にも再三の嘘を重ねるのだけれど、だんだんと彼女に本気で恋していく姿が何ともいい具合に滑稽で、これが本当に本当にかわいい。 彼女の店で買ったダサい靴を履いて会いに行く場面もいいけれど、いちど完全に切れた縁を何とか取り戻そうと人ごみの中で必死に駆け寄って口説く様子は、何度も嘘をつかれた彼女が許してしまうのも当然と思わずにはいられない。 あの声で、あの渋さで、そしてかわいい。 もう、これに勝てる女なんているだろうか。 とはいえ、そういう意味では、この映画のパチーノの滑稽さは三抹くらいだと思う。 もっと厳密に 「一抹の」 が出ているのは、たとえば 『フェイク』。 ジョニデに裏切られたと感じて船の上で拗ねるときの姿は、まさに一抹の滑稽さを漂わせ、だからこそ悲哀が胸に迫ってきて、そしてもう本当に魅力的だ。
ふと思ったけど、アル・パチーノのかわいさは、ダニー・デビートのかわいさにちょっとだけ通じるものがあると思う。 つまりイタリア系の男のかわいさが絶妙ってことなのかしらん。
相手役のエレン・バーキンも、これまた 「隙のある美女」だ(美保純に似てるけど)。 唇をゆがめて笑う笑顔はキツそうで、かと思えば幼くて。 白いタンクトップとジーンズで無造作に髪をまとめたカッコもいいけど、タイトスカートの着こなしは女でも惚れぼれするくらい。
映画自体は、刑事が殺人の容疑者と恋に落ちるという、まぁわりと王道で小粒のサスペンス。 でも、ちょっとだけ滑稽でかわいい男は最高である、という証拠のような作品だと思った。
・・・そうそう、最後に、タイトルになっている曲 Sea of love をトム・ウェイツが歌うのがすごくイイ。 トム・ウェイツも、そういうかわいさのある人だと思うんだけど。
--------------
5/2の作業記録
案件A:29枚訳す。
案件D:8枚チェック。
5/3の作業記録
案件B:読んでる。
*8キロ走る。
--------------------------------------------------------
1つは、造形的にかわいい、というやつ。 アイドルちゃんの端正な顔立ちを魅力的だと思うときに言う台詞だ。 パンダがかわいいとか猫がかわいいとかに近い。 そりゃ文句なしにかわいいに決まってる。
で、もう1つは――女が年齢を重ねたなら、こっちの 「かわいい」 を評価できるようでありたいと私は思うのだけれど――いい大人がふと垣間見せる一抹の 「滑稽さ」 みたいなもの、それに対する 「かわいい」 という感情じゃないだろうか。 簡単に言えば、隙を見せてくれるところに惹かれる、というか。
「一抹の」 というのがポイントで、二抹か三抹くらいならイイけれど、これが10抹や20抹になっちゃ台無し。 それだったらむしろ100抹くらいに振り切れてくれないと。
独断と偏見で言いますと、コメディをやっているときのジム・キャリーとかMr.Beanとかは、100抹もしくはそれ以上で、彼らはそれがとっても魅力的。 旅人になっちゃったサッカー選手は15抹くらいの実にイタい感じ。 足が太くなるから練習しないと言っていた野球選手はむしろ60抹くらいで、あれはあれでカッコいいと思えちゃう。
で、その微妙で希少な 「一抹の滑稽さ」 を漂わせる俳優として、彼よりも魅力的な人はいないんじゃないだろうか。 そう思いながら、映画 『シー・オブ・ラブ』 を観た。
主演、アル・パチーノ。
パチーノが演じる刑事のフランクは酒に酔って深夜に元妻に電話するようなダメなやつで、職務とはいえ惚れた女にも再三の嘘を重ねるのだけれど、だんだんと彼女に本気で恋していく姿が何ともいい具合に滑稽で、これが本当に本当にかわいい。 彼女の店で買ったダサい靴を履いて会いに行く場面もいいけれど、いちど完全に切れた縁を何とか取り戻そうと人ごみの中で必死に駆け寄って口説く様子は、何度も嘘をつかれた彼女が許してしまうのも当然と思わずにはいられない。 あの声で、あの渋さで、そしてかわいい。 もう、これに勝てる女なんているだろうか。
ふと思ったけど、アル・パチーノのかわいさは、ダニー・デビートのかわいさにちょっとだけ通じるものがあると思う。 つまりイタリア系の男のかわいさが絶妙ってことなのかしらん。
相手役のエレン・バーキンも、これまた 「隙のある美女」だ(美保純に似てるけど)。 唇をゆがめて笑う笑顔はキツそうで、かと思えば幼くて。 白いタンクトップとジーンズで無造作に髪をまとめたカッコもいいけど、タイトスカートの着こなしは女でも惚れぼれするくらい。
映画自体は、刑事が殺人の容疑者と恋に落ちるという、まぁわりと王道で小粒のサスペンス。 でも、ちょっとだけ滑稽でかわいい男は最高である、という証拠のような作品だと思った。
・・・そうそう、最後に、タイトルになっている曲 Sea of love をトム・ウェイツが歌うのがすごくイイ。 トム・ウェイツも、そういうかわいさのある人だと思うんだけど。
--------------
5/2の作業記録
案件A:29枚訳す。
案件D:8枚チェック。
5/3の作業記録
案件B:読んでる。
*8キロ走る。
--------------------------------------------------------
Commented
by
Natsume
at 2014-05-04 23:23
x
Sea of loveの主題歌、むちゃくちゃ好きです...(^^)
Commented
by
yumi_in_the_rye at 2014-05-04 23:54
甘くて、けれどトム・ウェイツが歌うと渋くもあって、名曲ですよね。
by yumi_in_the_rye
| 2014-05-04 18:20
| 観た映画
|
Comments(2)