still crazy after all these years



待つべき理由

もう少しだけ 『すべては「先送り」でうまくいく 意思決定とタイミングの科学』 の説明を。 

現代生活の急速なペースに押されて、ほとんどの人が多くの場面で性急すぎる判断をしている。 たしかに適切なタイミングを図ることは難しく、その難しさは増す一方なのだが、今の私たちはタイミングについて考えられているとは言えない。 考える時間がないか、あるいは時間をとって考えることができないのだ。 周囲を取り巻くテクノロジーに流されて、人間の行動はスピードアップしている。 職場でも自宅でも、毎日追い立てられるような気分を味わっている。 その反面、タイミングを絶妙に駆使する人がいるのも事実だ。 彼らは、たとえひどくプレッシャーを感じる意思決定の場面にあったとしても、必要なら最大限の先送りもを厭わない。 まるで時間を自在に遅らせているように見えることもある。 優れた意思決定をする人にとって、時間とはメトロノームや電波時計が示すよりも、もっとフレキシブルに進むものなのだ。

その道の一流のエキスパートならば、超高速で反応している最中にも、たとえコンマ1秒であろうと一時停止や中断をするべきタイミングを直感的に察する。 反対に長めの時間をとるべき場面にも、それがわかる。 ジョークを効かせるにはどのタイミングで数秒の間を置けばいいか。 他人をジャッジする際はどのタイミングまでじっくり待つべきか。 それは勘や直感の理解であると同時に、分析的思考でもある。

先送りのマネジメント。 それは、アートとサイエンスの両方がかかわる領域なのだ。

グラッドウェルの 『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』 や、ダニエル・カーネマンの素晴らしい著書(訳も!) 『ファスト&スロー  あなたの意思はどのように決まるか?』 ・・・・・・に興味がある方なら、きっと面白く読んでもらえると思います(実際、この2冊を本文中で引き合いに出しています)

個人的には、この本の中で2箇所、久々に 「降りてきた」 感じの訳を作れたので、大変に満足でありました。 それから上記の2冊を含め、素晴らしい内容と素晴らしい訳の先行文献の数々に支えられて、優れた本の価値を心から実感した作業でもありました。

表紙も中身のレイアウトもとてもきれい。どうぞ、書店でお見かけになったら、めくってみてやってくださいまし。


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3/29と30の作業記録
 案件J:ゲラ見てる。




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by yumi_in_the_rye | 2013-03-31 15:08 | 訳した本 | Comments(0)
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