still crazy after all these years



それはチャンスと心得よ

謝るのは難しい。 気分もよくない。 恥ずかしいし、情けないし、場合によっては腹立たしい。 もちろん謝らなければならない事態に陥らないのが一番だけど、どうしても謝罪が避けられないなら、できるだけさくっと済ませ、揚げ足をとられないよう予防線を張り、その上で相手にイヤミの一言もちくりと言ってやりたい――そんなふうに考えてしまうのは、当然と言えば当然の気持ちかもしれない。

でも、そんな謝罪をして、相手は満足するだろうか。 事態は収拾されるだろうか。 そして何より、あなたは救われるだろうか。たとえ謝ったその場では気分がすっきりして、混乱をうまく収めた (と思う) 自分、相手に対して余計な譲歩をしなかった (と思う) 自分、逃げずにきちんと (と思う) 詫びの言葉を口に出した自分に満足するとしても、それはあなたにとって本当に得な結果になっただろうか。
「ああ、こんなふうになるんだったら、あのときもっととことん謝っておくんだった」
・・・そんなふうに後悔するときが来るとしたら、たいていの場合、それは遅すぎるタイミングだ。

「謝ることは、あなたにとって筋の通った利己行為だ」。 『生き残るためのあやまり方』 の著者は、そう主張する。 本書の原題は Effective Apology というのだが、著者が提唱しているのは、本来の目的と意義をきちんと発揮する 「効果的な謝罪」 の実践なのだ。

 過ちは避けられない。 だが時機をとらえた的確な謝罪なら憤りを鎮め、関係者の傷を癒し、ときには以前よりも強い結びつきを生み出すこともできる。 それが、本書の伝えたいメッセージだ。

 昔と比べると、現代は謝罪を聞くことが多くなったと思う人もいるだろう。 だが、私たちは謝罪の多さを求めているわけではない。 必要なのは効果的な謝罪だ。テレビでニュースを見るたび、必ず誰かが謝っていたり、謝る必要が生じていたり、充分に謝っていなかったりする。 組織や政府は過去と現在の行為を謝る。 私たちもしじゅう謝る。 しかし、考えてみてほしい、本当にベストな謝り方をしているだろうか。 謝るべきタイミング、手段、その謝罪を印象づける方法を知らなかったせいで、貴重なチャンスを無にしてはいないだろうか。

本書は、政治、文化、スポーツ、その他さまざまな領域で示された (あるいは示されなかった) 謝罪の具体例を挙げつつ、「効果的な謝罪」 を構成する5つのステップを解説する。 狙いは、謝罪の言葉を丸暗記させることではない。 謝罪の本質を理解し、どんな場面においても実践できるようにすることだ。 悪事が発覚したときも (いや、悪事はしないのが本当だけど)、ビジネスや私生活で失敗や間違いをしたときも、ぜひ本書の紹介する5ステップの謝罪を実践して、挽回のチャンスを充分に活かしてほしい。

とはいえ、それほど堅苦しい本ではないのでご安心を。 古今東西の謝罪の例を読むだけでも、なかなか楽しめる内容になっている (楽しめるように訳せてる、と思う。 そのへんは読者にゆだねるしかないので、I hope だけど)。
同業の方ならご想像がつくでしょうが、英語の謝罪文を訳すのは結構大変だったし、数ヶ月ほど謝罪の言葉ばっかり考えていたせいで一時期は卑屈な気持ちにもなったけど(笑)、苦労のしがいはあったような気がしている。

推敲段階では、ゆたかな語彙とつねに安定した文章構成力を持つ若き翻訳者、篠崎健太郎氏の力を借りました。改めて心より感謝の気持ちを送ります。

そういうわけで、『生き残るためのあやまり方  ビジネスや人生の失敗を成功に導く、最良の5ステップ』、主婦の友社より発売。どうぞよろしくお願いしますっ!




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by yumi_in_the_rye | 2010-07-21 17:20 | 訳した本 | Comments(0)
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