still crazy after all these years



鏡の向こうの顔

そういえばもう去年の話だけど、『Dr.パルナサスの鏡』 は劇場で観た。 ご存じのとおり、ヒース・レジャーが撮影途中でいなくなってしまったので、代わりをジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが務めている。 ヒースが演じるトニーというキャラクターが鏡の向こう側に入るたび、顔と形が変わるという設定に変更になったのだ。

で、多分たくさんの人がそう感じたと思うんだけど、初めて観たとき、最初からそういう設定だったと信じるくらい違和感がなかった。 顔もそうだけど、物語の流れ (の奇抜さ) に対して、ぴったり来る展開だ。 むしろヒースの事故にかかわらず、これで正解だったんじゃない? 最初からこの設定にしとけばよかったんじゃないの? と。

だけど、これはやっぱり本当はヒースが全部演じなくてはならなかった、と思う。 彼ならば、それこそ別の役者に入れ替わったんじゃないかと思わせるような、そんな 「3人」 を見せてくれたはずなのだ。 顔の造作は同じなのに、表情が、雰囲気が、感じる印象がまるで違う・・・・・・そんなトニーを見られたはずだった。 ヒース・レジャーは、それと同じことを、これまでは作品と作品のあいだでやってきた。 今回は、それを 「ひとつの作品」 の中でも見事に実現できたと思うし、実際、彼はそのつもりだったんだろうと思う。


・・・まぁ、それはタラレバの話だからともかくとして、代役3人のうちで一番びっくりしたのはジュード・ロウ。 ジョニー・デップがこういうおとぎ話的な世界を演じるのは、もう私たちはすっかり見慣れてしまった。 コリン・ファレルも、『フォーンブース』 のときの素晴らしい演技が目に焼き付いているので、その芸の幅の広さには驚かない。 だけど、無機質でシャープなイケメンのイメージがどうしても離れないジュード・ロウに、あそこまで下卑た顔つきができるなんて、本当に文字通り目を疑ったもの。
隙のないイケメンぶりがどうにも好きになれなかったジュード・ロウの評価は、私の中では大きく変わった。 彼、きっとまだまだ化けるよ。

「ヒース・レジャーの遺作」 として宣伝されている映画だけど、「ヒースの遺作」 として見てしまうと、たぶん肩すかしというか置いていかれると思う。 テリー・ギリアム監督らしい、お世辞にも観客に親切とは言えない作りだし (私は、ギリアム監督のこれまでの作品の中では一番いいと思ったけど)。
ジュード・ロウと、それからトム・ウェイツ目当てで観るのが妥当なんじゃないかしら。



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2/4の作業記録
 案件A:7枚訳す。
 案件B:読む。うー。
 案件C:5ページ訳す。

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by yumi_in_the_rye | 2010-02-05 11:35 | 訳した本 | Comments(0)
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10歳かな

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